パリの高級ギャラリー街で下町情緒を垣間見たお話
昨日主人のLille通りにあるギャラリーに立ち寄ったらオーナーは外出中。
http://d.hatena.ne.jp/murk-paris/searchdiary?word=%2a%5bmakoto%20%5d
早速携帯で呼び出してみると4,5件先のギャラリーから顔を出して直ぐ行くから待ってテーと言う。がなかなか来なくてなんだか忙しそう、出て来たと思ったら向かい側のギャラリーに入ってしまった。しばらくして息を切らしてやって来てギャラリーの鍵を開けて中に入れてくれたものの、後もう数件廻って来るから店番しててと言う。?理由はアコーディオン弾きのマルコへのカンパを近隣のギャラリーに頼んで集めて歩いていた。今日中にアコーディオンの残金120ユーローを払わないとマルコのアコーディオンがなくなってしまうと言う。?ええっ?あのボロボロ? じゃなきゃ まともな中古買ったの?
マルコはアル中のアコーディオン弾き。私たちのアパートは通りに面していたので 窓から彼の姿をよく見ていた。Lille通りのアパートやギャラリーの軒先でワインを飲んで酔っぱらってヘラヘラしていたホームレス。時には飲み残しの瓶や惣菜もほったらかし、肝心の仕事道具はあちこちガムテープで補修したアコーディオン。ヒューヒュー音をもらして弾いていたのでまともな曲を耳にした事は無かったが、サンジェルマン界隈のCafeやRestaurantの路上で弾いて商売をしていた。お財布が膨らんだ時はおしゃれだった。不思議な事に顔なじみの紳士達とまじめに話し込んでいる姿も見かけた。静まり返った夕方に大声で楽しそうに携帯電話をかけていた時には驚かされた。そういう彼の姿を走馬灯のように思い起こしているうちにオーナーが戻って来てかき集めたお金を封筒に入れていた。ギャラリーの外で待っていたマルコは中にいる私達友人の2歳の子供にピアノを習え、バイオリンもいいぞ、と音楽の幼児英才教育の大切さを説いた。友人はちなみにピアニスト。彼女いわくマルコは玄人並みのバイオリンを弾くジェスチャーをしてたと。マルコ!!あんたはいったい何者ですか?
なにはともあれ、この界隈のギャラリーのオーナー達はマルコのアコーディオン演奏?を保護していらっしゃると言う今時珍しいホットな話題をお届けしました。
さて話はがらっと変わってシェークスピアのAboulutely Shakespeariennesに舞台は映ります。
このスペクタクルはシェークスピアの代表的な悲喜劇8戯曲(titus/pericles/othello/macbethe/cleopatre/le songe d'une nuit d'ete/romeo et juliette/pirame et thisbe)を各々ショートカットし1時間40分にまとめたオムニバス劇。LYCEE の為に作られた教育劇です。昨年一般公演された様子はこちらからhttp://www.lamuseenbouche.com/index.html
今年に入ってlyceeからオファーがあり急遽 役者変更や戯曲修正 そしてコスチュームの見直しは私が担当させて頂きました。演出家からは、重々しいクラッシィックはダメ!敏速に着替えられるもの!等多くの課題を出され衣装コンセプトを完成。黒色の濃淡をベースに素材の質感とカットで役者のキャラを出したところなかなかいい味で構成されました。
昨日、ゲネプロも無事終了しましたが、着替えがもう少しスムーズにいかないか。あ・・
2作目の[ペリクリーズpericles] から。
この戯曲はシェークスピアの最初のロマンス劇と言われた悲喜劇で、ペリクリーズの婚約から娘マリーナが結婚する迄の20年間の物語。波瀾万丈の人生と離ればなれの家族が再会し最後にやっと平穏な生活を手に入れるまで、詩人ガワーが説明役で登場してストリーをテンポよく展開します。

『時こそ人間の支配者だ。人間を生かしもすれば殺しもする。なにごとも時の気分次第、気がむくものをくれても望むものはくれない』
ペンタポリスの宴の席にて

写真の帽子とJABOTは マリーナに求婚するリジマックのコスチュームから

  jabot

アコーディオン弾きのマルコにも似合っちゃたりしてしまうかも・・・u-nnチョッと複雑な心境